本記事では、厚生労働省が推進する「救急時医療情報閲覧機能」の概要や、2025年(令和7年)4月から義務化される施設基準、導入のメリット・課題について解説します。特定の医療機関では対応が必須となるため、早めの準備が求められます。
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救急時医療情報閲覧機能とは?
厚生労働省が推進する「救急時医療情報閲覧機能」とは、患者が救急搬送された際に、医療機関が過去の診療情報を迅速に確認できる仕組みです。この機能は、医療の安全性向上や診療効率化の実現を目指しています。
具体的には、オンライン資格確認システムを活用することで、以下の情報をリアルタイムで取得できます。
- アレルギー情報(例:薬剤アレルギーの有無)
- 既往歴(例:心疾患、糖尿病など)
- 服薬状況(例:抗血栓薬、インスリンなど)
- 緊急時の連絡先情報
これらの情報にアクセス可能となることで、救急診療の質を向上させるだけでなく、患者の安全確保にも大きく寄与します。
参考資料: 厚生労働省「救急時医療情報閲覧機能に関するQ&A」
導入が義務化される医療機関(2025年4月~)
2025年(令和7年)4月1日から、「救急時医療情報閲覧機能」の導入が特定の医療機関において義務化されます。対象となるのは、以下の施設基準を満たす医療機関です。
- 総合入院体制加算(1~3)
- 急性期充実体制加算(1・2)
- 救命救急入院料(1~4)
該当する医療機関は、2025年3月31日までに導入を完了し、施設基準を満たす必要があります。未導入の場合、これらの診療報酬加算を算定できず、病院経営への影響が懸念されます。
さらに、導入の前提として「オンライン資格確認システム」の運用が必須です。このシステムが未導入の医療機関は、早急に準備を進める必要があります。
参考資料: 厚生労働省「診療報酬改定に関する通知」
導入のメリット
救急時医療情報閲覧機能の導入には、以下のようなメリットがあります。
- 迅速かつ的確な診療の実現
患者の診療情報がリアルタイムで確認できるため、救急対応のスピードと精度が向上します。 - 医療安全の向上
アレルギー情報や服薬状況を把握できることで、医療事故リスクの軽減が期待されます。 - 医療機関間の連携強化
地域医療連携がスムーズに行えるようになり、継続的な医療管理が可能となります。
参考資料: 厚生労働省「医療DX推進に関する報告書」
導入における課題
一方で、以下の課題も指摘されています。
- 初期導入コストと運用負担
システムの導入・維持にはコストが発生し、特に中小規模の医療機関にとって負担となる可能性があります。 - 個人情報保護とセキュリティ対策
医療情報を取り扱うため、不正アクセス防止や二要素認証の導入など、強固なセキュリティ対策が求められます。 - 医療従事者への教育と運用体制の整備
新システムの効果的な活用には、医療従事者への教育や運用ルールの整備が必要です。
参考資料: 厚生労働省「医療情報システムの安全管理ガイドライン」
まとめ
「救急時医療情報閲覧機能」は、救急医療の質向上や医療安全対策として重要な役割を果たします。特に、2025年4月からの診療報酬改定に伴い、特定の医療機関では導入が義務化されるため、早急な準備が必要です。
導入にあたり、以下の点を確認しましょう。
- 自院が導入義務の対象かどうか
- オンライン資格確認システムの導入状況
- システム導入に伴うコストや運用体制
厚生労働省のガイドラインや関連通知を参考にしながら、計画的に進めることが成功の鍵となります。

