医療現場では、ネットワークトラブルが診療業務に大きな影響を与えます。主な原因として、ハードウェアの故障、設定ミス、通信障害、ハブのループ、サイバー攻撃などが挙げられます。
本記事では、ネットワーク不具合の原因と対応策について解説します。
この記事の文字数:約3,000文字(読了目安:約10分)
Contents
1. はじめに:ネットワーク不具合が医療現場に与える影響
医療機関では、電子カルテや医療情報システム(HIS)、PACS(医用画像管理システム)など、ネットワークを利用したシステムが欠かせません。しかし、ネットワークに不具合が発生すると、これらのシステムが正常に動作しなくなり、診療や業務に大きな支障をきたします。
例えば、以下のようなトラブルが発生します。
- 電子カルテにアクセスできない → 医師が患者の診療履歴を確認できない
- PACSで画像が表示されない → 放射線科で検査結果が確認できない
- インターネット接続が不安定 → 外部システムと連携が取れない
このようなトラブルに迅速に対応するためにも、診療情報管理士や医療情報技師としてネットワーク不具合の原因と対策を理解しておくことが重要です。
2. ネットワーク不具合の主な原因
ネットワークトラブルの原因はさまざまですが、大きく分けると次の5つに分類できます。
① ハードウェアの故障
ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、サーバーなど)の故障が原因で通信障害が発生することがあります。
- ネットワークスイッチのポートが故障 → 特定の端末だけ通信できない
- ルーターの電源トラブル → 全体的にネットワークがダウン
② 設定ミスや構成変更の影響
ネットワーク機器の設定変更や、システムの更新作業が影響して通信が不安定になることがあります。
- IPアドレスの重複
- ルーティング設定の誤り
- VLAN(仮想LAN)の設定ミス
③ 通信回線のトラブル
外部のインターネット回線や病院内のLANケーブルの断線など、物理的なトラブルが原因で通信が途絶えることがあります。
④ ハブのループ(ブロードキャストストーム)
ネットワーク機器同士を誤って二重につなぐと、データが同じルートをぐるぐる回る「ループ」が発生し、通信が正常に行えなくなることがあります。
ハブのループが発生すると、以下のような影響があります。
- ネットワークが異常に遅くなる(データが無限ループ)
- 電子カルテやPACSが反応しなくなる
- 一部のPCだけでなく、全体的な通信が停止することも
⑤ サイバー攻撃やウイルス感染
ランサムウェアやDDoS攻撃によるネットワークの遮断も大きな脅威です。
3. ネットワーク不具合が発生したときの対応手順
ネットワークトラブルが発生した際は、以下の手順で冷静に対応しましょう。
① 問題の範囲を特定する
- 影響を受けている範囲(病院全体か、一部の部門か、特定のPCか)を確認
- 他の職員に状況を聞き、同様の不具合が発生しているか調査
② 物理的な接続を確認する
- LANケーブルが抜けていないか確認(特にハブのループに注意)
- ルーターやスイッチのランプ(LED)の状態をチェック
4. ネットワークトラブルを未然に防ぐために
① 定期的な機器のメンテナンス
- ルーターやスイッチのファームウェア更新
- ハードウェアの劣化チェック
② スパニングツリープロトコル(STP)の設定確認
- STPを有効にして、ループ発生を防ぐ
- ネットワーク機器の接続ルールを明確化する
5. まとめ
ネットワーク不具合の主な原因
- ハードウェアの故障
- 設定ミスや構成変更の影響
- 通信回線のトラブル
- ハブのループ(ブロードキャストストーム)
- サイバー攻撃やウイルス感染
予防策
- ネットワーク機器の定期メンテナンス
- 設定変更履歴の管理
- スパニングツリープロトコル(STP)の設定確認
ネットワークの基本を理解し、トラブルを未然に防ぎましょう!

